研究概要 |
重症度の異なる4群の出血性ショックモデルを作製し,ショック時に障害が生じやすい(いわゆるショック臓器)の一つである腎臓において検討した。出血量に応じてp38 mitogen activated protein kinase(MAPK)の活性化とtumor necrosis factor(TNF)-αやinterleukin (IL)-1βなどの炎症性サイトカインの発現が上昇し,機能的・器質的腎障害も増悪した。腎障害の重症度と好中球の出現頻度とは正の相関関係を示し,好中球の出現頻度が出血性ショック時の重症度判定・死因診断に有用である可能性が明らかとなった。また,その病態メカニズムとして出血量の増加に応じて上昇するp38MAPK活性化に基づく一連の炎症性臓器障害の増悪が関与することが明らかとなった。
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