研究課題
主として英語圏から報告されてきているパーキンソン病(Parkinson's disease:PD)スクリーニング目的の質問紙を参考に、睡眠関連症状、自律神経症状に関する質問項目も加えた日本語版質問紙を作成した。まず、当科における外来・病棟においてvalidationを行った。その結果は、現在、解析中である。60歳以上の人口が1129人である島根県海士町において、本質問紙を配布した。回収率は86.6%と高率であった。質問紙にて陽性が疑われた住民については、同意後に神経内科医による診察を行った。町内における協力的な地区においては、悉皆調査を行った。20年度は、町内3地域を抽出し、合計264名の住民を対象とした。この地域の質問紙回収率は、88.3%(233/264名)であった。運動能力判定目的にアクチグラフィー検査を行ったが、その実施率は67.0%(177/264名)であった。これらの住民のうち、神経内科的診察を受けた住民は、174名(65.9%)であった。このうち、PDは6名であり、60歳以上の住民における有病率は2.3%(6/264名)と極めて高率であることが明らかになった。また、軽度パーキンソン症候群(mild Parkisonian syndrome:MPS)は47名であり、60歳以上の住民における有病率は17.8%(47/264例)で、これも極めて高率であることが明らかになった。日本語版質問紙の解析を進め、より充実した質問紙を完成させ、また、地域調査におけるアクチグラフ検査の有用性も検討を進める。PD、MPSの有病率をさらに詳細に検討する。同時に画像検査や血液検査を含めた診断マーカーについても検討する予定である。
すべて 2009 2008
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Neuroepidemiology 32
ページ: 101-106
ページ: 263-269
Journal of Neurological Sciences 266
ページ: 20-24