研究概要 |
【研究目的】 長期間の紫外線暴露は、皮膚の老化と共に皮膚癌の発生につながることはよく指摘されている。本研究は、伝統的に皮膚障害に使用されている天然薬物から、紫外線照射による皮膚癌発生を阻止する化合物を探索し、その作用機構を明らかにする。 【研究実績の概要】 1.平成20年度は、4種類の生薬抽出エキスや単離し新化合物の紫外線B波(UVB)照射による皮膚障害に対する影響を以での実験項目について評価した。 (1)UVB照射による皮膚の肥厚および弾力性の検討、(2)UVB照射によるしわ形成の検討、(3)WB照射による上皮層や真皮層の検討、(4)UVB照射後のDNA損傷、コラーゲン、VEGF産生、MMP類の発現の検討、(5)皮膚腫瘍の発生および増殖能を検討した。その結果、紅参エキス、人参サポニンGinsenoside Rb_1、黒砂糖の非ショ糖分画、オリーブ葉エキス値よびオリーブ中のOleuropeinに強いUVBによる光老化を阻止することを見出した。 2.紅参エキスの短期UVB照射による皮膚の肥厚を阻止、メラニンの生成も阻止し、その作用は、皮膚のTGF-β1発現の抑制によることを明らかにした。Ginsenosdie Rb_1によるUVBによる光老化の阻止は、皮膚角化細胞のアポトーシス抑制作用、DNA損傷阻止作用を介していることを示唆した。 3.黒砂糖の非ショ糖分画およびオリーブ葉(Oleuropein)はUVBによるMMP-2,-9およびVEGF発現の抑制作用を介していることを明らかにした。OleuropeinはUVBによる腫瘍発生および増殖を抑制した。
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