研究課題/領域番号 |
20590701
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
鈴木 洋司 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20226567)
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研究分担者 |
満田 憲昭 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10314329)
大久保 信孝 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10432791)
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キーワード | 酸化ストレス / 赤血球 / 紅参由来サポニン / 血液レオロジー / アンチエイジング |
研究概要 |
赤血球のエイジングを促進し、機能障害を強調する目的で酸化ストレスを加えた赤血球の流動挙動特性の低下を血液粘度と赤血球変形能で調べる。同時に赤血球膜への傷害を膜脂質および膜タンパク質の酸化度により調べる。サポニンが酸化ストレスに対しての保護効果を赤血球の流動挙動障害および膜傷害の程度により評価し、その保護機構を解明する。 健康ヒト成人より採取した赤血球を洗浄後、鉄アスコルビン酸法で処理した後、洗浄し、種々濃度のグルコースおよびサポニン分画の存在下で処理した赤血球をヘマトクリットを調整して粘度、赤血球変形能を計測。また、赤血球膜過酸化脂質、膜タンパク質を調べた。 酸化処理後、粘度増加、膜タンパク質SH基減少していた赤血球をグルコース存在下で回復処理をすると膜タンパク質SH基は回復傾向を示したが血液粘度は減少しなかった。しかし、グルコースとサポニン存在下で処理すると膜タンパク質SH基の回復のみならず粘度の減少を認めた。一方で、グルコース非存在下でサポニンのみの条件ではタンパク質SH基および粘度の回復は認められなかった。 サポニンは酸化ストレスによる傷害を抑制するだけでなく、起きた傷害に機能を回復する効果が明らかになった。その機構はサポニンの有効成分の単純な酸化還元反応ではなく、グルコースを利用する赤血球内代謝に関わっていることが示された。この保護機構はを解明することはエイジングによる機能障害に対する一つの回復の手段の可能性を示すと考えられた。
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