研究課題
近年、若年女性の平均体格指数(BMI)は低下し、やせが増加している。それに伴い何らかの食行動の異常を呈する女性や摂食障害患者の割合の増加、月経異常の増加にみられる。本研究は、若年女性を対象に、心理社会的先行要因、エネルギーや栄養素の出納に直接かかわる要因を調査し、身体計測や血液生化学検査、遺伝子解析を行い、若年女性の体型や食行動異常を決定する要因を心身相関の観点および遺伝・環境の相互作用の観点から明らかにし、若年女性の健康の向上や摂食障害の予防に役立てることを目的にする。平成21年度は女子大学生ボランティア113名について調査、試料収集を実施した。前年度と合わせて合計229名のデータを集めた。主な調査項目は既往歴、月経歴、身体計測(身長、体重、体組成、腹囲、腰囲、皮脂厚)、食事摂取量と各栄養素の評価(食物摂取日誌)、生活記録(睡眠時間・食事向数・時間・運動)、心理測定(体重の経過・ダイエット歴、摂食障害関連心理特性、抑うつ、不安、パーソナリティー傾向、親子関係、自己評価、ストレス、ストレスコーピング等)、血液生化学(血中コレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸、血糖、インスリン等)である。また摂食・肥満関連遺伝子の多型を解析した。サブ解析によりストレスおよびストレスコーピングといが、摂食障害傾向、体組成に影響する可能性が示唆された。平成22年度は新たに100名を目標に調査・試料収集を実施するとともに、3年間のデータをもとにパス解析を用いて若年女性のやせと食行動異常の発生に寄与する要因の間の関係を明らかにする。
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