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2008 年度 実績報告書

EBウイルス小RNAによる自然免疫シグナルを介した胃がん発生機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20590715
研究機関北海道大学

研究代表者

岩切 大  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (10307853)

キーワードEBV / EBER / 胃がん / 自然免疫 / TLR3 / RLG-I
研究概要

我々のこれまでの研究で、EBウイルスが胃上皮細胞に感染すると、Lnsulin-1ike growth factor(IGF)-1の発現が誘導され、そのオートクライン作用により感染細胞の増殖が促進されるということ、またIGF-1の発現誘導の責任遺伝子はウイルスの小RNAであるEBERであることが明らかになった。本研究は、EBERによるIGF-1の発現誘導がいかにしておこるかを解明し、結果EBウイルスによる胃がんの発生のメカニズムを明らかにすることを目的とし行っている。我々は、バーキットリンパ腫(BL)細胞においてEBERが細胞内の2本鎖RNA(dsRNA)認識分子であるRetinoic acid-inducible gene(RLG)-Lと相互作用しこれを活性化、IRF-3およびNF-κBの活性化を介しインターフェロン発現を誘導することを明らかにしていたが、これをもとにEBERとRLG-Iの相互作用がEBERによるサイトカイン産生に寄与しているかどうか検証した。その結果、EBERによるRIG-Iの活性化がLRF3の活性化を介してBL細胞の増殖因子であるIL-10の産生を誘導することを明らかにした。さらに胃がん細胞においてもEBERによりRLG-Iが恒常的に活性化されていることを明らかにした。一方我々は、EBERがEBウイルス感染胃がん細胞より細胞外に放出されること、さらに放出されたEBERはTo11-1ike receptor (TLR)3を介したシグナル伝達を惹起することを見出し、さらにTLR3シグナルの恒常的な活性化がEBウイルス陽性胃がん細胞においておこっていて、それがEBERによるIGF-1産生誘導に関与しているということを明らかにし、現在さらに解析を進めている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Epstein-Barr virus-encoded small RNA induces IL-10 through RIG-I-mediated IRF-3 signaling2009

    • 著者名/発表者名
      Samanta M, et.al.
    • 雑誌名

      Oncogene 27

      ページ: 4150-4160

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Epstein-Barr virus upregulates phosphorylated heat shock protein 27 kDa in carcinoma cells using the phosphoinositide 3-kinase/Akt pathway2008

    • 著者名/発表者名
      Fukagawa Y, et.al.
    • 雑誌名

      Electrophoresis 29

      ページ: 3192-3200

    • 査読あり
  • [雑誌論文] EBウイルスによる免疫系シグナルの修飾と病原性発現2008

    • 著者名/発表者名
      岩切大
    • 雑誌名

      細胞工学 27

      ページ: 1237-1241

  • [学会発表] EBウイルス小RNAによるToll-like receptor3シグナルの活性化2008

    • 著者名/発表者名
      岩切大
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会一般口演
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2008-12-11
  • [学会発表] 胃上皮細胞におけるEBウイルス小RMによるToll-like receptor3シグナルの活性化2008

    • 著者名/発表者名
      岩切大
    • 学会等名
      第67回日本癌学会学術総会一般口演
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2008-10-29
  • [学会発表] EBウイルス小RNA(EBER)による自然免疫シグナルの活性化とその活動性感染症における意義2008

    • 著者名/発表者名
      岩切大
    • 学会等名
      第56回日本ウイルス学会学集会ワークショップ
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター
    • 年月日
      2008-10-26
  • [学会発表] EBウイルスnon-codingRNAによるToll-like receptor3シグナルの活性化2008

    • 著者名/発表者名
      岩切大
    • 学会等名
      第73回インターフェロン・サイトカイン学会学術集会シンポジウム
    • 発表場所
      北海道大学学術交流会館
    • 年月日
      2008-07-10
  • [図書] 「ウイルスの構造と遺伝子EBER」「代表的なEBウイルス感染細胞株とウイルスの特性」高田賢蔵監修柳井秀雄・清水則夫編「EBウイルス」2008

    • 著者名/発表者名
      岩切大
    • 総ページ数
      32-37
    • 出版者
      診断と治療社

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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