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2009 年度 実績報告書

EBウイルス小RNAによる自然免疫シグナルを介した胃がん発生機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20590715
研究機関北海道大学

研究代表者

岩切 大  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (10307853)

キーワードEBV / EBER / 胃がん / 自然免疫 / TLR3
研究概要

我々のこれまでの研究で、EBウイルスが胃上皮細胞に感染すると、Insulin-like growth factor(IGF)-1の発現が誘導され、そのオートクライン作用により感染細胞の増殖が促進されるということ、またIGF-1の発現誘導の責任遺伝子はウイルスの小RNAであるEBERであることが明らかになった。本研究は、EBERによるIGF-1の発現誘導がいかにしておこるかを解明し、結果EBウイルスによる胃がんの発生のメカニズムを明らかにすることを目的とし行っている。EBERの機能に関し、これまで我々は、EBERが2本鎖RNA(dsRNA)としてRetinoic acid-inducible gene(RIG)-Iを活性化、IRF-3およびNF-κBの活性化を介しインターフェロン発現を誘導することを明らかにした。またEBERがEBウイルス感染細胞より細胞外に放出され、さらに放出されたEBERはToll-like receptor(TLR)3を介したシグナル伝達を惹起することを見出した。さらにその後の研究で、このEBERによるTLR3シグナルの活性化は伝染性単核症や慢性活動性EBV感染症、EBV関連血球貪食症候群の発症に寄与している可能性があることを明らかにした。一方、EBERはEBV感染胃がん細胞からも放出され、さらにTLR3シグナルの恒常的な活性化を誘導していること、そしてEBウイルス陽性胃がん細胞においておこっているTLR3シグナルの活性化は、EBERによるIGF-1産生誘導に関与しているということを明らかにし、現在さらに解析を進めている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Epstein-Barr virus(EBV)-encoded small RNA is released from EBV-infected cells and activates signaling from toll-like receptor 3.2009

    • 著者名/発表者名
      Iwakiri, D., et al.
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Medicine 206

      ページ: 2091-2099

    • 査読あり
  • [雑誌論文] EBVと自然免疫2009

    • 著者名/発表者名
      岩切大, ほか
    • 雑誌名

      Medical science digest 35

      ページ: 18-21

  • [学会発表] EBV小RNAによるTLR3シグナル修飾と病原性発現2009

    • 著者名/発表者名
      岩切大, ほか
    • 学会等名
      第57回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      東京 都市センターホテル
    • 年月日
      2009-10-27
  • [学会発表] アデノウイルスVA RNAによるI型インターフェロン誘導機構の解析2009

    • 著者名/発表者名
      南谷武春, ほか
    • 学会等名
      第57回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      東京 都市センターホテル
    • 年月日
      2009-10-27
  • [学会発表] EBV小RNAにより惹起されるTLR3シグナルのEBV陽性胃がんにおける役割2009

    • 著者名/発表者名
      岩切大, ほか
    • 学会等名
      第68回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜 パシフィコ横浜
    • 年月日
      2009-10-01
  • [学会発表] EBウイルスと血球貪食症候群2009

    • 著者名/発表者名
      岩切大, ほか
    • 学会等名
      第16回八幡平造血セミナー(招待講演)
    • 発表場所
      盛岡 ホテルメトロポリタン
    • 年月日
      2009-09-05

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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