平成20年度には、胃亜全摘術を施行された患者4例を含め、総計9例の胃がん患者の同意を得ることができた。 尿中並びに血中ポルフィリン量を測定した結果、5/9例でALA投与によるポルフィリン類高値が認められた。 4例の手術前後の採血採尿可龍症例では2例が有意に減少し、2例は変化がなかったが、この2例はいずれもALA投与によって尿中血中ポルフィリンの有意な増加が認められなかった症例だった。これらの症例では、iNOSの発現が低く、in vitroの結果と合致するものだった。ALA投与後の蛍光の結果をχ2検定で検討したが、統計学的有意差を認めなかった。 今後、患者の同意をより容易に得るため、採血採尿のプロトコールを見直し、症例数を増やして検討すること、組織のiNOSの発現の有無をあらかじめ検討し、その現象と尿中ポルフィリンとの関係を解明することが重要であると考えられた。
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