胃がんの診断として、光化学反応を利用した方法は、非接触、非侵襲かつ、不可視情報を可視化するという点で有用であると考えられ、研究がすすめられている。当研究代表者らは、アミノレブリン酸を利用した癌固有蛍光を臨床的に捉えるとともに、基礎的研究を行ってきた。我々はがん細胞に有意にプロトポルフィリンIXが蓄積し、がん固有蛍光を発していることを見いだした。ヘムの生合成経路の停滞によって蓄積したプロトポルフィリンIXは、生体内では分解できず、水和物となって尿に排泄される可能性を利用し、担がん患者のスクリーニングがALA投与後の尿中ポルフィリン量の測定が可能ではないかと考え、担がん患者の尿中ポルフィリン量を測定した。その結果尿中ウロポルフィリン量は増加していたが、健常者と比較して統計学的有意差は認められなかった。今後症例数を増やした検討が必要である。
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