研究課題
NSAIDの胃粘膜傷害のリスクマーカーの検討、特に遺伝子多型の検討を行ってきた。1)CYP2C9多型:NSAIDの代謝を担うCYP2C9の多型とNSAIDの粘膜傷害との関連について検討した。15例のボランティアにナプロキサン600mg内服後2日後の胃粘膜傷害とCYP2C9多型との関連を検討すると、CYP2C9^*3アリル保持者での粘膜傷害が、非保持者に比較して有意に重症であり、CYP2C9の多型がNSAIDによる胃粘膜傷害の予測因子になりうることを明らかにした。すなわちNSAIDの代謝動態がさらに、NSAIDの代謝活性を2)H_2S合成酵素多型:リスクに関連すると考えられるものとして、硫化水素(H_2S)の合成酵素に注目し、その多型の検出方法の確立に努めた。CSE, CBSの多型について検出方法の確立を行った。3)新たなリスクマーカーの開発:1)でNSAIDの代謝活性がNSAIDの胃粘膜傷害に関わることが考えられたため、NSAIDの個々の動態を簡便に評価する方法として^<13>C-Naproxen breath testを開発した。この検査はNSAIDの粘膜傷害の指標となることが明らかになり特許を出願することとした。前向き試験の検討CYP2C9^*3アレルの有無や^<13>C-Naproxen breath testにてNSAIDリスクを予測して、PPIを併用する群と全例PPIを併用する群、PPIを併用しない群の3群で、胃粘膜傷害の程度をエンドポイントとした前向き試験を施行中である。
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