研究概要 |
消化管で惹起される細菌性抗原に対する宿主の免役応答を解析した。消化管でおこる免疫反応のうち、特に自然免疫に関わるサイトカインと受容体をDSS腸炎を用いて解析した。大豆由来のイソフラボン成分が炎症反応を抑制すること、その機序として、LPS刺激でおこるIL-6,IL-8産生を抑制し、炎症組織での細胞浸潤を抑制し、組織浸潤T細胞のインターフェロンγ産生も抑制していることを見いだした。その機序はCD80,CD86各陽性樹状細胞の活性化の阻止と供役していた。従来より、炎症性腸疾患の地球上、人種上の偏在が知られていたがその理由は不明である。アジア地域には欧州・北米に比較して少ない。本研究のこれまでのデータによれば、アジアで多食されている発酵大豆食品の一部に腸管での炎症反応を抑える物質が含まれていることから、食生活を中心とする環境因子の中に疾患感受性を制御する因子が存在することが示唆された。NOD-1,NOD-2分子が、細菌性抗原の刺激により起こるサイトカイン産生をどのように制御しているか、主に培養細胞を用いて解析した。
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