1)EBウイルス陽性胃癌臨床検体およびEBウイルス陽性胃癌細胞株のDNAメチル化 (1)EBウイルス陽性胃癌の臨床検体の検討 EBウイルス陽性胃癌20例これに対応した陰性コントロール40例を対象に、腫瘍関連遺伝子のDNAメチル化をメチル化特異的PCR (MSP)により、検討した。EBV陽性胃癌に特異的に有意差を持って、メチル化が誘導されている遺伝子を同定しえた。 (2)EBウイルス陽性胃癌細胞株の検討EBウイルス陽性胃癌細胞株として樹立されたSNU719ついても、同様にメチル化特異的PCR (MSP)により、DNAメチル化検討した。この細胞株においては、胃癌でDNAメチル化が報告されている多くの遺伝子がメチル化をうけており、EBウイルス陽性胃癌はDNAの高メチル化群であることが明らかとなった。 2)EBウイルス陽性胃癌細胞株SNU719を用いた新規メチル化遺伝子の検出 EBウイルス陽性胃癌より樹立された細胞株SNU719を用い、MBD2 (methy1-binding protein) 2)に対するクロマチン免疫沈降法を施行し、メチル化を受けたDNA断片の抽出を行った。このDNAをDNA chipに応用することで、1000遺伝子あまりもの候補遺伝子が検出された。この中には既に胃癌において、メチル化が証明されている遺伝子、他の悪性腫瘍でメチル化が確認されている遺伝子が多く、含まれており、これらの解析に加え、未知のメチル化遺伝子の同定も行う予定である。
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