研究概要 |
1.抗ATBF1抗体の作成:分担研究者の三浦らが,MBL社と共同で力価の高い抗ATBF1モノクローナル抗体を開発した. 2.TGF-beta1投与によりRUNX3が細胞質から核に移行することが報告されている胃癌細胞株SNU16細胞を用い,RUNX3とATBF1の核・細胞質移行を共焦点レーザー顕微鏡(NIKON)を用いて観察した.R&B社Recombinant human TGFbeta1 2ng/ml添加後24時間培養し,抗ATBF1抗体モノクロナール抗体(R87-5)(500倍希釈),抗RUNX3抗体(D-234-3)(100倍希釈)で染色した.内在性のATBF1とRUNX3はともにTGF-beta1の刺激で細胞質から核に移行した. 3.SNU16細胞にR&D社Recombinant Human TGF-beta1 2ng/mlを添加し,4,16,24時間培養後,細胞を回収。採取した細胞の蛋白を細胞質と核分画に分画しWBでATBF1とRUNX3の量を測定した。 胃癌細胞SUN16ではTGF-beta1刺激で核分画のATBF1とRUNX3の蛋白量の増加が確認された. 4.免疫沈降,すなわちpCI-myc-ATBF1 vectorとpcDNA-flag-RUNX3 vectorを胃癌細胞にトランスフェクトし,抗myc-tag抗体で免疫沈降し,抗flag-tag抗体でプロットし,ATBF1とRUNX3の結合を確認した. 5.ATBF1,RUNX3を強制発現させ,p21プロモーターをレポーターgeneとしてDual-Luciferase assayを施行したところ,ATBF1とRUNX3はp21プロモーター活性を約4倍にまで増強した. #上記の結果は2009年5月にシカゴで開催されるアメリカ消化器病学会にアクセプトされ,発表予定である.
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