研究概要 |
1. recombinantペプチドと特異抗体の生成、およびヒト小腸粘膜での発現の検討 HD5とその前駆体であるproM5, およびHD6のrecombinantペプチドを大腸菌発現系を用いてペプチドを得た。さらにこれらrecombinant HD5およびHD6をウサギに免疫して得られた抗血清から, 抗HD5および抗HD6polyclonal抗体を作成しヒト小腸でPaneth細胞に特異的に発現することを確認した。 2. 二次元電気泳動によるペプチドの抽出およびfoldingの確認方法の確立 インフォームド・コンセントの元に得た腸管切除手術材料および内視鏡的腸管生検材料からペプチドを酸抽出し,RP-HPLCにて分離精製し,MOLDI-TOF質量分析装置にてdefensinを同定した. タンパク抽出物を2次元電気泳動にて展開する系を確立し、そのスポットを切り出しゲルのトリプシン消化後にペプチドヤスフィンガープリンティングによるタンパクの同定に成功した。 3. ジスフィルド結合関連シャペロン分子であるPDIの機能解析 PDIの小腸粘膜での発現を免疫染色にて検討し、Paneh細胞に強発現することを確認した。HD5抗体との二重染色では、HD5は顆粒内に、PDIは細胞室内に局在していた。PDIの活性を評価するために、選元型HD5ペプチドを酸化型および還元型glutathionとPDIの存在下で反応させた。ジスルフィド結合が再構成されることをHPLCおよびMALDI-TOF MSにて確認した。したがって、PDIがPaneth細胞内でディフェンシン蛋白のフォールディングに機能している可能性を示した。
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