研究概要 |
(1)ヒト正常対照および炎症性腸疾患患者の小腸・大腸上皮細胞におけるペプチドの抽出およびfoldingの確認方法の確立 インフォームドコンセントの元に得た手術における腸管切除材料を昨年度と異なり,EDTA分離法を用いて特に小腸粘膜の絨毛や陰窩のみを単離・回収した.回収した絨毛および陰窩のペレットをサルモネラ菌に30分間反応させ分泌物として回収した.この分泌物から蛋白やペプチドを酸抽出し2次元電気泳動で展開し,UV lightにてfluorescent spotを確認後目的のスポットを切り出しゲル消化後にMOLDI-TOF質量分析装置にて各蛋白質の同定に成功した.さらにdefensinも同定した.Foldingの確認方法の確立については引き続き検討を重ねている. (2)ジスルフィド結合関連シャペロン分子であるPDIの機能解析 健常者の小腸粘膜においてPDIの免疫染色を行いPaneth細胞に発現していることを確認した.Real-time PCRにて健常者とIBD患者(特にクローン病患者)のPDIのmRNA発現をうまくとらえきれなかったため,現在さまざまな条件下で検討中である.
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