日本人クローン病の感受性遺伝子TNFSF15が、どのようにクローン病発症の感受性に影響を与えているかを解明するため、我々が示したもっともクローン病との相関が強かった-360T/C或いは、-640A/GのSNPを中心とした、機能解析を行った。 A. プロモーターアッセイ(木内担当) 各対立遺伝子毎に、転写活性に差が生じていないかluciferaseをレポーターとしたプロモーターアッセイを行った。まず、各対立遺伝子のすべての組み合わせ(4種類)のプロモーター領域をレポータープラスミドに挿入し、プラスミドを作成した。その後、アッセイを行った。その結果、-360T/CSNPが(Jurkat細胞において)転写活性に影響を与えていることが明らかとなった。 B. 対立遺伝子特異的m-RNAの定量法を用いたin vivoでの対立遺伝子特異的転写活性予測(角田、根来担当) SNPによる転写活性への影響を解析する場合、前記のin vitroにおけるプロモーターアッセイが一般的であるが、最近必ずしもプロモーターアッセイが、in vivoの状態を反映するとは限らないことが報告されており、今回の検討においては、SNaPShot法を用いた対立遺伝子特異的m-RNAの定量法(組織中或いは細胞内)にて、in vitroと同様の結果がin vivoで確認できるかも、検討した。その結果、刺激を受けたT細胞特異的に-360C alleleにおいて転写産物が多いことを確認した。
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