日本人クローン病の感受性遺伝子TNFSFI5が、どのようにクローン病発症の感受性に影響を与えているかを解明するため、我々が示したもっともクローン病との相関が強かった-358T/C或いは、-640A/GのSNPを中心とした、機能解析を行った。 クロマチン免疫沈降法(木内担当) 平成20年の結果によって、対立遺伝子特異的に転写因子が結合することが判明し、さらにその転写因子を、gel shift assayによるsupershiftを確認することで特定する作業を続けているが、現在までsupershiftを示す抗体を特定できていない。今回あらゆる利用可能なGATA3抗体を用いて、確認したが、やはりsupershiftを確認することはできなかった。 GATA3強制発現及びsiRNAによる発現抑制による転写活性に与える影響(木内・角田担当) GATA3発現ベクター及ぶsiRNAによる、GATA3強制発現及びノックダウン系をJurkat細胞にて作製した。Jurkat細胞にGATA3を強制発現しても、またノックダウンしてもTNFSF15のプロモーターを組み込んだレポータープラスミドのルシフェラーゼ活性に影響を与えることはなかった。またgel shift assayにおいても、シフトバンドに変化を及ぼさなかった。 以上の結果より、TNFSF15-358Tに結合している転写因子はGATA3ではないという結論を導き出した!
|