研究課題/領域番号 |
20590737
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
永石 宇司 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (60447464)
|
連携研究者 |
中村 哲也 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (70265809)
土屋 輝一郎 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (40376786)
渡辺 守 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10175127)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2010
|
キーワード | CEACAM1 / リンパ球 / 粘膜免疫 / サイトカイン / シグナル伝達 |
研究概要 |
本研究は申請者が独自に研究を展開してきたCEACAM1分子によるリンパ球の機能調節に注目し、腸管粘膜における免疫学的恒常性の維持におけるその作用意義について着目している。その結果、本研究では当該研究期間に主として以下のような成果が得られた。トランスジェニックマウスやレトロウイルスベクターによって導入されたCD4^+ T細胞におけるCEACAM1の過剰発現系解析では、増殖能およびサイトカイン産生に大きな変化をもたらし、実験腸炎モデルの発症抑制に繋がることが明らかになった。またこうしたCEACAM1の過剰発現系においてTNFなど様々な炎症性サイトカイン産生や増殖、分化が阻害されるのは、T細胞受容体(TCR)シグナルの伝達阻害が誘導されるためであることが明らかとなった。こうしたCEACAM1によるTCRシグナルの阻害はSH2 domain-containing protein tyrosine phosphatase 1(SHP-1)のリン酸化に依存することが確認された。これらの研究結果はCEACAM1が腸管粘膜の免疫調節に深く関与する事実を暗示するものと思われる。そしてこの分子が炎症性腸疾患の病態において治療標的になりうることが示唆された。今後はこの分子によるシグナル調節の分子メカニズム、さらに恒常的な腸管粘膜の細胞間クロストークを介した免疫調節メカニズムを追求することによって、炎症性腸疾患に対する新規治療法開発の基盤に繋げることができると期待される。
|