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2010 年度 実績報告書

REG蛋白による大腸粘膜再生と癌化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20590747
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

福井 広一  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60378742)

キーワード遺伝子 / 癌 / 再生医学 / 病理学 / 臨床
研究概要

炎症組織では組織再生が盛んに行なわれ,その際に生じる生体反応の異常が発癌につながる可能性がある.近年,消化管の炎症発癌において転写因子STAT3の重要性が示唆されているが,実際,我々は,胃炎からの発癌においてSTAT3に誘導されるRegenerating gene(以下REG)蛋白がその抗アポトーシス作用によって発癌に関与することを示した.さらに本研究では,大腸においても同様に,潰瘍性大腸炎組織において過剰発現したサイトカインがSTAT3のリン酸化を亢進させ,その結果大腸粘膜にREG蛋白が過剰発現することが癌化の危険因子になることを示した.そこで本年度は,REG蛋白が潰瘍性大腸炎関連発癌にどのように関与するかを明らかにするために,前癌状態と考えられるdysplasiaにおけるREG蛋白発現を病理組織学的に検討した.その結果,非腫瘍性病変からdysplasia病変に至る過程でREG蛋白発現分布が基底部から粘膜表層部へ拡大し,dysplasiaの異型度が高度になる程,REG蛋白発現分布が拡大することを見出した.さらには,REG蛋白発現パターンがP53異常発現と相関することを示した.今日,実地臨床の場において,潰瘍性大腸炎に発生するdysplasia病変の検出・診断は病理組織学的にも困難な場合が多く,有用なマーカーが切望されているが,本研究成果から,REG蛋白発現がそのマーカー候補になる可能性が示された.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Immunohistochemical analysis of REG Iα expression in ulcerative colitis-associated neoplastic lesions2011

    • 著者名/発表者名
      Tanaka H
    • 雑誌名

      Digestion

      巻: 83 ページ: 204-209

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Involvement of the IL-22/REG Iα axis in ulcerative colitis2010

    • 著者名/発表者名
      Sekikawa A
    • 雑誌名

      Lab Invest

      巻: 90 ページ: 496-505

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Expression of β-catenin and REG Iα in relation to cell proliferative ability in salivary gland tumors2010

    • 著者名/発表者名
      Hakata Y
    • 雑誌名

      Exp Ther Med

      巻: 1 ページ: 437-443

    • 査読あり
  • [雑誌論文] GROα promotes invasion of colorectal cancer cells2010

    • 著者名/発表者名
      Ogata H
    • 雑誌名

      Oncol Rep

      巻: 24 ページ: 1479-1486

    • 査読あり
  • [学会発表] 潰瘍性大腸炎関連腫瘍におけるREG Iα発現の意義2010

    • 著者名/発表者名
      福井広一
    • 学会等名
      第99回日本病理学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-04-27

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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