研究課題/領域番号 |
20590769
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
朝比奈 靖浩 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (00422692)
|
研究分担者 |
泉 並木 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (20397300)
榎本 信幸 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20251530)
|
キーワード | 自然免疫 / C型肝炎ウイルス / リバビリン / 薬剤耐性 |
研究概要 |
PEG-IFN/RBV併用療法を施行したGenotype 2高ウイルス量のC型慢性肝炎14例を対象とし、治療直前に肝生検を施行し、総RNAを抽出後RTD-PCRを用いて肝内ISG15、USP18、RIG-I及びIPS-1 mRNAの発現を、GAPDHを内部controlとして定量した。ウイルス学的治療効果は著効(SVR:n=7)、無効(NR:n=7)に分類した。その結果、ISG15、USP18およびRIG-Iは、NR群で有意に高発現し、SVRでは低値であった。反対にIPS-1発現量はNVR群で有意に低かった。従って、genotype 1bで認められたNR例におけるRIG-Iの高発現状態はgenotype 2でも同様に認められることが分かった。 PEG-IFN/RBV併用療法を施行したGenotype 1b高ウイルス量のC型慢性肝炎14例を対象とし、SVR例(n=7)と治療中HCVが減衰しないNVR例(n=7)でPBMC中における治療中の上記遺伝子の発現動態を検討した。その結果、NVR例ではSVR例に比し、PEG-IFNの投与によるRIG-IなどのIFN誘導遺伝子の発現誘導が有意に低いことが分かった。すなわち、NVR例では、治療前におけるRIG-IなどのIFN誘導遺伝子の高発現を認めるが、治療による反応性は低いことが治療抵抗性の一要因と考えられた。また、HCV遺伝子変異との統合的解析からは、この現象はHCVコア変異と独立してNVRと関連していることが多変量解析から示され、今後治療成績向上を目指した対策を講じる際には、宿主要因とウイルス要因それぞれに対する対策が必要と考えられた。
|