研究課題
基盤研究(C)
【背景と目的】HCV 1b型におけるPEG-interferon(IFN)/ribavirin(RBV)併用療法の約20%はnull responderで抵抗性を示す。しかし、本治療開始前における効果予測は困難で、また治療抵抗性の機序も不明である。HCV排除には自然免疫が重要であるとされる。また、最近genotype 1bに対するPEG-IFN/RBV併用48週治療における治療抵抗性に宿主のIL28Bの遺伝子多型(SNPs)が関与していることが報告されたが、宿主自然免疫とIL28B遺伝子の関連は明らかではない。そこで本研究の目的は、これらの関連を解明することとする。【方法】α型PEG-IFN/RBV施行例を対象とし、治療前肝組織における自然免疫系に係わる遺伝子発現を解析し、IL28B SNPと治療効果との関連を検討した。【成績】IL28B minor例の自然免疫系遺伝子のRIG-I、ISG15の発現はmajorに比し有意に高値であったが、アダプター分子のIPS-1及び抑制系遺伝子のRNF125はIL28B minorで低かった。治療効果別では、不応例では治療中ウイルス反応(VR)が得られた症例に比し有意にRIG-I、ISG15の遺伝子発現が高値、IL28B minorに限っても不応例ではVR例に比し有意に高値で、多変量解析ではRIG-I高発現が不応例に独立して関与していた。【結論】自然免疫系はPEG-IFN/RBV併用療法における治療抵抗性にウイルス因子と独立して関与していた。
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