研究概要 |
HBV genotype BjおよびCの共感染のヒト肝細胞置換キメラマウスシリーズ血清からgenotypeの経時的変化をRFLPにて確認をおこなった。これらの結果からはgenotype BjおよびCの組換えHBV遺伝子型の確認はされなかった。また本邦では現在B型肝炎ウイルス(HBV)に対するユニバーサル(UV)ワクチンの導入に向けての検討が行われているが、異なるHBV遺伝子型やvaccine escape mutant(VEM)に対する防御能を明らかにする必要がある。HBVに対するモノクロナール抗体を用いてヒト肝細胞キメラマウスにおけるHBV中和試験を行った。感染源としてHBV遺伝子型AとCの野生株,遺伝子型C-145R導入変異株を用いた。HBV116抗体およびHBV478抗体10μg投与群の遺伝子型AおよびC野生株群では全例でHBV-DNAの検出はされなかった。HBV116抗体およびHBV478抗体を1μgへ減量後においても遺伝子型AおよびC野生株HBV群ではHBV-DNAの検出はされなかった。C-145R導入変異株中和試験においては、HBV478抗体群では全例でHBV-DNAの検出はされなかったが、HBV116抗体群では全例でHBV-DNAが検出された。現在日本で使用されている遺伝子型CのHBワクチンで遺伝子型AのHBV感染防御が可能であると考えられた。また、VEM株へのHBワクチンによる感染阻止は限定的であると考えられた。
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