研究概要 |
本年度の研究において、以下の成果を得た。 1.内科的にラジオ波焼灼療法後の累積肝癌再発率においてレニンアンジオテンシン系(RAS)阻害薬であるACE阻害薬(ACE-I)単独では臨床学的に有効性が認めなれないものの、ビタミンKと併用投与することによって肝癌再発率が約半分に低下することを臨床的に確認し、併用投与群においては血中のVEGF濃度が有意に低下することを確認した。本成果はJournal of Hepatology誌において発表予定である。 2.最近肝疾患との関連で注目されているインスリン抵抗性条件下において分子鎖アミノ酸製剤(BCAA)が糖尿病・肥満に加えてインスリン抵抗性を示すOLETFラットにおいて、血管新生阻害を伴い肝発癌を有意に抑制することを確認し(Yoshiji H et al, J Gastroenterol in press2009)、BCAAによる抑制効果はACE-Iを投与することにより有意に増強され得ることを確認した。 3.これまでに報告してきたRAS阻害薬による肝線維化抑制効果についてインスリン抵抗性条件下においても同様に有意な抑制効果を示すことを確認し、BMC Research Noteにおいて発表予定である
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