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2009 年度 実績報告書

肝硬変腹水病態への腹腔マクロファージおよび反応性中皮細胞の関与

研究課題

研究課題/領域番号 20590793
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

山崎 正晴  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60360054)

研究分担者 岡本 康幸  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70145879)
キーワード肝硬変 / 腹水 / VEGF / 酸化窒素
研究概要

当施設における医の倫理委員会の承認を得た実施計画に基づいて肝硬変患者から無菌的に腹水を採取し、遠心後その沈渣を回収した。回収した沈渣中の有核細胞成分の90%以上が生細胞であることをトリパンブルー染色により確認し、1) 単核球・リンパ球分離用試薬を用いて分取した単核球成分からなる細胞群と、2) 赤血球成分のみ取り除いた細胞群に分け、コートされていないプラスチックディッシュ上で培養し、付着細胞のみを回収した。単核球成分からの付着細胞群は免疫染色でCD14陽性・サイトケラチン陰性を示すマクロファージであることが示され、単核球分離を経ずに得られた付着細胞群はマクロファージのみならずCD14陰性・サイトケラチン陽性の中皮細胞も混じていることが示された。このマクロファージ単独群およびマクロファージ・中皮細胞混在群を1) 無添加、2) LPS添加、3) IFN-γ添加後24時間培養し、その上清中の総窒素酸化物およびVEGFをELISAにて定量した。その結果、1) マクロファージ単独群に比してマクロファージ・中皮細胞混在群でVEGFが著明に高値を示したが、総窒素酸化物は両群に有意差を認めなかった。2) 両群とも総窒素酸化物はLPS刺激およびIFN-γ刺激により上昇を認めたが、VEGFはこれらの刺激による変化は認められなかった。以上の結果から、VEGFはマクロファージと中皮細胞が相互作用してその産生が亢進し、それがNOに関与しない機序で起こる可能性が示唆された。来年度の本研究において、1) 磁気細胞分離システムを用いてマクロファージおよび中皮細胞のより純化した分離を行い上記の結果を確認し、2) さらに症例数を増やして腹水の背景となる因子とVEGF/NOの関連を明らかにするとともに、3) NO関連遺伝子およびVEGF遺伝子発現解析を加えて、腹腔マクロファージと中皮細胞の相互作用について検討を重ねる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Determination of advanced glycation end-products on IgG in liver cirrhosis2009

    • 著者名/発表者名
      Tanaka S
    • 雑誌名

      Hepatogastroenterology 56

      ページ: 1735-1737

    • 査読あり
  • [学会発表] 進行した門脈腫瘍塞栓合併肝細胞癌症例における腹水の病態と治療2009

    • 著者名/発表者名
      山崎正晴
    • 学会等名
      第38回 日本肝臓学会西部会
    • 発表場所
      米子コンベンションセンター
    • 年月日
      2009-12-04
  • [学会発表] 腹水顆粒球エラスターゼと肝硬変腹水病態2009

    • 著者名/発表者名
      山崎正晴
    • 学会等名
      第13回日本肝臓学会大会(JDDW 2009)
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2009-10-15
  • [学会発表] 肝硬変腹水におけるアディポネクチンの検討2009

    • 著者名/発表者名
      山崎正晴
    • 学会等名
      第56回日本臨床検査医学会学術集会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2009-08-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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