研究課題
本年度は最終年度であることから、3年間の研究成果の総括ならびに論文発表を行うとともに、基礎解析成果に基づきマルチHLA対応ワクチンの橋渡し臨床研究を実施した。1. 新規アジュバントの開発:新規油中水型(W/O)オイルアジュバント「NH2」が動物およびヒトにおいて免疫増強作用を有すること、ならびにペプチドワクチンで誘導される細胞性免疫誘導においては既存のアジュバントと同等以上の有効性を示す結果がえられたのでその成果を論文とし英文査読誌に発表した(Iseki et al., Cancer Science,2010)2. C型肝炎治療用ペプチドワクチン臨床試験の長期追跡調査:肝炎・肝硬変および肝がん術後患者において発がん予防効果が示されたのでその成果を論文とし英文査読誌に発表した(Komatsu et al., Exp Ther Med.2010)3. マルチHLA対応非混合ワクチンの臨床試験成績の解析:マルチHLAに対応する24種類のペプチド候補から患者のHLA型および免疫記憶に応じてペプチドを選択し投与する汎HLA対応テーラーメイドペプチドワクチンの第1相臨床試験を進行がん患者17例に実施し、安全性および免疫誘導能が確認された(Yamada et al., Exp Ther Med.2011)4. マルチHLA対応ワクチンの臨床試験実施:C型肝炎ウイルス陽性肝がんの根治術(外科的切除および内科的根治術を含む)後症例を対象としたマルチペプチド混合ワクチンを用いた肝がん再発予防ワクチンの第I相臨床試験及び継続投与試験を倫理委員会による審査・承認を得て開始した。エンドポイントは、安全性、免疫反応性、および無再発生存期間であり、予定症例数の3分の1の患者登録がなされた。現時点までに重篤な有害事象は認められておらず、また肝がん再発も認められていない。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (7件)
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