研究課題/領域番号 |
20590820
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
池田 修一 信州大学, 医学部, 教授 (60135134)
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研究分担者 |
矢崎 正英 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (70372513)
小山 潤 信州大学, 医学系研究科, 准教授 (10303463)
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キーワード | 老人性アミロイドーシス / 心アミロイドーシス / トランスサイレチン / アミロイド / ALアミロイド / 腹壁脂肪組織 / 皮膚生検 |
研究概要 |
平成20年度は老人性全身性アミロイドーシス(SSA)の診断における腹壁の皮膚生検の有用性について検討した。具体的には本疾患が疑われた6名(年齢67~97歳)を対象に腹壁の外科的生検を施行し、5名において真皮脂肪組織へのtransthyretin(TTR)由来アミロイドの沈着が確認された。皮膚はTTR由来の家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)を含む全身性アミロイドーシスの生検部位として適しており、皮下の汗腺周囲、結合組織と脂肪組織に広汎なアミロイド沈着がみられやすい。一方、今回検索したSSA患者のアミロイドの沈着様式は皮下の汗腺、結合組織が侵されず、真皮深層の脂肪組織のみへ斑状に沈着していることが特徴であった。そこでこのアミロイド沈着様式の疾患特異性を検索する目的で、心アミロイドーシスを主徴とする71歳女性と76歳男性の原発性全身性ALアミロイドーシス患者の腹壁皮膚生検組織におけるアミロイド沈着様式との比較検討を行った。両患者の同生検組織には免疫グロブリン軽鎖由来のアミロイド(ALアミロイド)が表皮直下の結合組織、真皮の脂肪組織を中心にび慢性に沈着しており、SSA患者のアミロイドの沈着様式とは明らかに異なっていた。以上の所見から腹壁の外科的皮膚生検はSSA患者の臨床診断に非常に有用と判断した。
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