研究課題/領域番号 |
20590820
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
池田 修一 信州大学, 医学部, 教授 (60135134)
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研究分担者 |
矢崎 正英 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (70372513)
小山 潤 信州大学, 医学系研究科, 准教授 (10303463)
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キーワード | 老人性アミロイドーシス / 心アミロイドーシス / トランスサイレチン / アミロイド / 皮膚生検 / 腹壁脂肪組織 |
研究概要 |
平成22年度は過去3年間に施行した老人性全身性アミロイドーシス(SSA)の診断における腹壁の皮膚生検の有用性について検討した。被検者は本疾患が疑われた10名(年齢70~97歳、男性5名、女性5名)を対象に腹壁の外科的生検を施行し、7名において真皮脂肪組織へのtransthyretin(TTR)由来アミロイドの沈着が確認された。皮膚はTTR由来の家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)を含む全身性アミロイドーシスの生検部位として適しており、皮下の汗腺周囲、結合組織と脂肪組織に広汎なアミロイド沈着がみられやすい。一方、今回検索したSSA患者のアミロイドの沈着様式は皮下の汗腺、結合組織が侵されず、真皮深層の脂肪組織のみへ斑状に沈着していることが特徴であった。SSAの確定診断には組織におけるTTR由来アミロイドの沈着を証明する必要があり、従来から生検法として右室心内膜生検が試みられている。しかし本法を高度な心機能低下がある高齢者に対して行うことは危険性が高い。そこで本研究では全身状態が不良な患者に対して安全に試行しうる直視下の腹壁の皮膚生検の有用性について検討し、70%の陽性率であることを証明した。本研究成果は国内外で初めての報告である。また人口の急激な高齢化により、SSAは高齢者の心不全の重要な原因となってきており、本法を用いることで適確な臨床診断ができうる。現在、SSAを含むTTRRアミロイドーシスに対しては有効な薬物療法の開発が進められており、近い将来、SSAの治療が可能になることが期待される。この点を踏まえて本研究の意義は大きい。
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