心筋症は、肥大型心筋症・拡張型心筋症・拘束型心筋症・催不整脈性右室心筋症に分類されるが、近年の分子遺伝学の進歩により病因遺伝子が続々と同定され、もはや原因不明とはいえなくなってきた、特に肥大型心筋症は患者の60%前後に遺伝子変異を認め、早期診断、突然死の予防という観点で遺伝子解析が注目されている。現在、遺伝型と表現型の関連性についての研究が進んでいるものの、未だ確定したものは得られていない。本研究では、比較的人口移動の少ない本県(高知県)において、従来の横断的な検討のみならず、これまで行われていない縦断的な視点での検討を行い、各心筋症(特に肥大型心筋症と拡張型心筋症)の頻度・臨床病態の経時的変化・予後などを総合的に評価し、遺伝的背景ならびに病態発症・進展のメカニズムを明らかにする。
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