• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

循環調節ペプチドを利用した診断・管理・治療に関するトランスレーショナルリサーチ

研究課題

研究課題/領域番号 20590837
研究機関獨協医科大学

研究代表者

錦見 俊雄  獨協医科大学, 医学部, 准教授 (80291946)

キーワードアドレノメデュリン / 脂肪細胞 / CRLR / RAMPs / 脂肪分解作用 / 糖取り込み作用 / 心房性ナトリウム利尿ペプチド / cAMP
研究概要

ラット脂肪前駆細胞の培養系において、脂肪細胞におけるアドレノメデュリン(AM)の意義について検討した。メディウム中AMの分子型をイムノラジオメトリック法で測定すると、脂肪細胞はAMの活性型と非活性型の両分子を分泌していたが、分化が進むと活性型の分泌比が増加した。AMの分泌量は今まで報告されている細胞よりも多かった。RT-PCR法にて脂肪細胞内のAMとその受容体CRLR、RAMP2,3の遺伝子発現について検討すると、AMとCRLR、RAMP2,3は脂肪細胞において高発現していた。AMの生理的意義について検討したところ、AMはブドウ糖取り込み促進作用や、脂肪分解作用を認めた。これらのAMの作用の細胞内シグナルについても検討したところ、AMは細胞内cAMPを用量依存性に増加させ、ウエスタンではPKA、ERK、Aktのリン酸化も認めた。またAMのブドウ糖取り込み作用はwortmanninで抑制され、脂肪分解作用はKT-5720もしくはU0126で抑制された。またイソプロテレノールとAMは脂肪分解作用に対して相加的に働き、最大濃度でも相加的であった。さらに脂肪細胞の分化時にAMを添加すると、脂肪細胞の分化は促進された。以上の結果から、脂肪細胞はAMを活溌に分泌しており、AMは脂肪分化・脂肪分解・ブドウ糖取り込み作用等を有し、各々細胞内機序は異なることが示唆された。心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)の脂肪細胞に対する作用についても検討した。脂肪細胞にはナトリウム利尿ペプチド受容体AとCが高発現していた。脂肪細胞においてANPはcGMPを用量依存性に増やし、脂肪分解作用を有し、PKGの拮抗薬で抑制された。一方C受容体のリガンドはcAMP低下作用を有し、脂肪分解を抑制した。このように脂肪細胞においてANPは2つの受容体を介して、別の細胞内機序を通して2方向性に働いていることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Stimulatory and Inhibitory regulation of lipolysis by the NPR-A/cGMP/PKG and NPR-C/G(i)pathways in rat cultured adipocytes.2009

    • 著者名/発表者名
      Nishikimi T, 他5 名
    • 雑誌名

      Regul Pept 153

      ページ: 56-63

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Adrenomedullin plus Human Atrial Natriuretic Peptide Therapy in Acute Decompensated Heart Failure : a pilot study2009

    • 著者名/発表者名
      Nishikimi T, 他10名
    • 雑誌名

      Circ J 73

      ページ: 892-898

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of adrenomedullin system in lipid metabolism and its signaling mechanism in cultured adipocytes.2008

    • 著者名/発表者名
      Iemura-Inaba C, Nishikimi T, 他4名
    • 雑誌名

      Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol 295

      ページ: R1376-R1384

    • 査読あり
  • [学会発表] 心不全における血中BNPの分子型とその意義2008

    • 著者名/発表者名
      錦見俊雄, 他9名
    • 学会等名
      日本心臓病学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-09-09

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi