研究課題/領域番号 |
20590848
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
川元 隆弘 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30368667)
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研究分担者 |
大倉 宏之 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30425136)
根石 陽二 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80319946)
土谷 哲生 川崎医科大学, 医学部, 助教 (80388959)
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キーワード | メタボリック症候群 / 動物実験 / 一酸化窒素 / 冠循環 / 内皮機能 / インスリン抵抗性 |
研究概要 |
前年度にイヌのメタボリック症候群モデル(高脂肪食負荷により作成)にて冠動脈内皮によるNO産生能を同一個体で経時的に計測したところインスリン抵抗性が強くなるとともにアセチルコリン冠動脈内投与によるNO産生能は低下し始めることが明らかとなった。一方アデノシン三リン酸静脈内投与による冠充血反応は維持されており、冠微小循環においてはNOの生体利用能が低下してくるとその他の、例えばアデノシン、プロスタグランジンの系を介して冠血流を維持している可能性が示唆された。そこで本年度より実際にヒトのメタボリック症候群では内皮機能がどのように変化するかを前腕駆血後の血流依存性血管拡張反応の計測により評価し、インスリン抵抗性との関係を検討することとした。まず正常例で血流依存性血管拡張反応を計測し、測定結果の再現性、個体間でのばらつきを解析した。また駆血時間、駆血圧といった測定方法の条件が結果に影響するかどうかも同時に検討をおこない、最適な血流依存性血管拡張反応測定法につき検討した。まず再現性については同一検者による3回計測のばらつきをみたところ標準偏差は12.5%であった。しかしながら計測手技への習熟により最終的には5.3%と改善し、計測法として信頼できる再現性を持つと考えられた。ひきつづき正常例で駆血圧、駆血時間、計測時間をそれぞれ3とおりに設定し、その傾向について分析を行なっている。その結果より最適な測定条件を設定したのちにメタボリック症候群例で計測を行ないその変化を分析していく予定としている。
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