研究課題/領域番号 |
20590848
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
川元 隆弘 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30368667)
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研究分担者 |
大倉 宏之 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30425136)
根石 陽二 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80319946)
土谷 哲生 川崎医科大学, 医学部, 助教 (80388959)
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キーワード | メタボリック症侯群 / 動物実験 / 一酸化窒素 / 冠循環 / 内皮機能 / インスリン抵抗性 |
研究概要 |
本年度は上腕動脈血流依存性血管拡張反応測定における正常例での至適条件を決定することとし、正常例で駆血圧、駆血時間につき検討を行なった。 健常例8例(男性5名、女性3名、年齢29±5歳)にて検討を行なった。測定には超音波診断装置ユネクスイーエフを用いた。測定法は室温を22~25℃に調節した静かな部屋にてすべての測定をおこなった。測定前2時間から食事摂取、お茶やコーヒー等のカフェイン摂取、飲酒、喫煙、過度の運動といった内皮機能に影響を与えるものを禁止した。測定は安静、仰臥位にて2度施行し、その平均値を採用した。 上腕動脈血流依存性血管拡張反応測定は右上腕動脈にて(1)安静時血管径を計測し、(2)収縮期血圧+30もしくは50mmHgで3分もしくは5分駆血する、(3)駆血解放後に安静時と同じ部位にて最大拡張血管径を計測、といった手順でおこない、最大拡張血管径から安静時血管径を差し引いてそれを安静時血管径で除したものをパーセントにて算出した。結果は+30mmHg/3分駆血で5±2%、+30mmHg/5分駆血で11±6%、+50mmHg/3分駆血で4±3%、+50mmHg/5分駆血で11±4%であった。駆血圧により有意差は認めなかったが、どちらの圧でも駆血時間は5分の方が有意に上腕動脈血流依存性血管拡張反応は大であった。 以上より、上腕動脈血流依存性血管拡張反応測定では安静時血圧+30mmHg/5分駆血が至適条件と考えられた。今後はメタボリック症候群における計測をすすめていきインスリン抵抗性との関係について検討していく予定である。
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