研究課題
我々が単離・同定したMURCを心臓特異的に発現するトランスジェニックマウス(Tg-MURC)では、心臓の間質の線維化亢進、心収縮能低下が認められ、また心房細動や完全房室ブロックがみられる。これらの結果より、我々はMURCが心不全や不整脈に関与していると考えているが、その分子機序は明らかでない。その分子機構を解明することを目的に、MURC結合蛋白質の同定を試みた。カベオラの形成や作用に重要であることが示されているcaveolin-3やPTRF/cavin-1、SDPR/cavin-2、SRBC/cavin-3とMURCが結合すること、さらにMURCがカベオラに局在していることを見出した。そして、MURCを培養心筋細胞に過剰発現させるとカベオラのサイズが大きくなり、心臓特異的にMURCを発現するトランスジェニックマウス(Tg-MURC)ではカベオラの形態に異常がみられることを示した。現在我々は、MURCがカベオラに作用し心不全や不整脈発症に関与していると考え、現在その分子機構を解明するためにMURCノックアウト(KO)マウスの表現型を解析中である。
すべて 2010
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PLoS ONE
巻: 5 ページ: e9746