本研究はオートファジーを制御する分子機構を明らかにし、心不全の治療に応用することを目的とする。オートファジー解析のための特異的なツールとして、すでに作成済みである心筋特異的オートファジー抑制マウスならびにオートファジー抑制shRNA発現アデノウイルス、オートファジー可視化マウス(GFP-LC3トランスジェニックマウス)、オートファジーマーカー蛋白質に対する抗体などを利用する。研究期間内に、オートファジーへの関与や心不全発症への関与が示唆されている分子の遺伝子改変動物を解析することで、心臓ストレスがオートファジーを制御する分子機構を明らかにする。更には、オートファジー抑制心筋細胞がストレス刺激に脆弱性を示すことを利用して、様々なオートファジー抑制が心筋細胞死を誘導する分子機構を明らかにする。すなわちオートファジーを中心にその上流と下流の双方からアプローチを行い、その分子機構を明らかにし心不全治療への応用の分子標的を同定する。 本年度は心筋特異的Atg5ノックアウトマウスに経年的に評価し老化における役割を明らかにした。その結果オートファジーは老化に対し細胞保護的であることが明らかとなった。
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