研究概要 |
リアノジン受容体分子内安定化機構についてK201という安定化コンパウンドの作用部位をリアノジン受容体の2114-2149番であることを同定した。さらにリアノジン受容体分子内でこの2114-2149が連関している新たなドメインを発見し、その部位もほぼ同定した。さらにこの2114-2149アミノ酸配列はペプチドとする(治療ペプチド)ことでリアノジン受容体を安定化する作用があることもわかった。ヒトCPVT型遺伝子改変マウスから精製した筋小胞体において、治療ペプチドが異常なカルシウムリークを抑制し、リアノジン受容体分子内のドメイン連関を正常化することを示した。さらには治療ペプチドがどのような分子メカニズムでリアノジン受容体を安定化させるかについて研究を行い治療ペプチドの作用部位とその結果生じるリアノジン受容体分子内でのもう一つのドメイン-ドメイン連関がどのように動いてリアノジン受容体の安定化に至るかについての解明を行った。また遺伝子改変マウスから単離培養した心筋細胞においてもこの治療ペプチドが有効であることを示した。 研究は予定通り進行しリアノジン受容体の安定化に重要なドメインを同定できた。また同定した安定化ドメインが心不全のみならず致死的不整脈の治療にも有用であることがわかった。22年度はアメリカ心臓協会(AHA)の2010年次集会(2010/11,Chicago,IL)において演者として研究成果を発表した。また共著論文としてCirc Res,Cardiovasc Res,BBRCに論文を発表した。
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