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2008 年度 実績報告書

虚血性疾患治療に効果的な血管内皮前駆細胞の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20590876
研究機関筑波大学

研究代表者

大根田 修  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (30311872)

研究分担者 山下 年晴  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (50400677)
長野 真澄  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 研究員 (30436282)
キーワード再生医学 / 循環器・高血圧 / 移植・再生医療 / 細胞・組織
研究概要

【目的】
本申請では,ヒト臍帯血由来痒EPCを単離し,増殖能の解析および細胞表面マーカー・遺伝子発現解析等を中心とした分化能の解析を通じて,EPCの性質を明らかにし,新たなEPCの単離同定とその生体内機能解析を行う.
【研究計画および成果】
1.siRNAを用いた臍帯血由来EPCのin vitro機能解析
ALDE-low EPCが,ALDE-high EPCと比較して,虚血部位における治癒効果が高いことから,両者間における低酸素応答性について解析を行った.先行研究により,ALDE-high EPCよりALDE-low EPCにおいて,低酸素に応答して標的遺伝子の転写活性化が促進していることが分かっている.
そこで,本申請では低酸素応答転写因子(Hypoxia inducible factor:HIF)の中で,特にHIF-1alphaとHIF-2alphaに着目し,どちらの転写因子がEPCの虚血部位における治癒に関与しているのかについて,siRNAを用いて明らかにした.
その結果,HIF-1alphaの発現を低下させることにより,標的遺伝子であるGlut-1とVEGFのmRNAの発現低下が見られた.一方,HIF-2alphaの発現を低下することにより,VEGFとCXCR4のmRNAの発現低下が見られた.
2.siRNA導入後のEPCを用いた虚血部位における創傷治癒効果の解析
それぞれのHIFに対するsiRNAによりHIF-1alphaあるいはHIF-2alphaの発現低下の見られたEPCを有茎皮弁移植モデルマウスに投与し解析を行った.
HIF-1alphaの発現を低下させたEPCは,コントロール群と比較して,創傷治癒に対する有意な遅延は見られなかった.一方,HIF-2alphaの発現を低下させたEPC投与群において,創傷治癒効果が有意に遅延していることが明らかとなった.
以上のことから,HIF-2alphaの標的遺伝子であるCXCR4のEPCにおける発現が,マウス有茎皮弁モデルにおける創傷治癒に対して重要な因子であることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (11件)

  • [雑誌論文] The microenvironment for erythropoiesis is regulated by HIF-2alpha through VCAM-1 in endothelial cells.2008

    • 著者名/発表者名
      Yamashita T, Ohneda 0, Sakiyama A, 他3名
    • 雑誌名

      Blood 112

      ページ: 1482-1492

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hypoxia-inducible transcription factor-2alpha in endothelial cells regulates tumor neovascularization through activation of ephrin A1.2008

    • 著者名/発表者名
      Yamashita T, Ohneda K, Nagano M, Ohneda 0, ft. 51
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 283

      ページ: 18926-18936

    • 査読あり
  • [学会発表] CXCR4 Plays a Crucial Role for Repairing lschemic Tissue through Regulation by HIF-2alpha2009

    • 著者名/発表者名
      長野真澄, 大根田修
    • 学会等名
      第73回日本循環器学会総会・学術集会
    • 発表場所
      大阪国際会議揚
    • 年月日
      2009-03-21
  • [学会発表] ヒト間葉系幹細胞を用いたグリオグラストーマの細胞治療に向けた研究開発2009

    • 著者名/発表者名
      秋本恵子, (他4名) 大根田修
    • 学会等名
      第8回日本再生医療学会総会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      2009-03-08
  • [学会発表] 治療効果の高い間葉系幹細胞の単離およびその機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      木村健一, (他6名) 大根田修
    • 学会等名
      第8回日本再生医療学会総会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      2009-03-08
  • [学会発表] Differential Potential of Endothelial Progenitor Cells to Promote Arteriogenesis and Angiogenesis.2009

    • 著者名/発表者名
      Haruhiko Sugimori, (他6名) Osamu Ohneda
    • 学会等名
      Cardiovascular Research Technologies 2009
    • 発表場所
      Omni Shoreham Hotel (Washington DC)
    • 年月日
      2009-02-22
  • [学会発表] A Chemokine Receptor CXCR4 Plays a Crucial Role for Repairing lschemic Tissue through Regulation of HIF-2a2008

    • 著者名/発表者名
      Masumi Nagano, Osamu Ohneda
    • 学会等名
      50th American Society of Hematology Annual Meeting
    • 発表場所
      Moscone Center (San Francisco)
    • 年月日
      2008-12-08
  • [学会発表] HIF-3aによる負の転写制御機構解明2008

    • 著者名/発表者名
      山下年晴, (他2名) 大根田修
    • 学会等名
      第6回がんとハイポキシア研究会
    • 発表場所
      広島市南区文化センター
    • 年月日
      2008-11-30
  • [学会発表] 生体内におけるHIF-3alpha/IPAS発現部位の同定2008

    • 著者名/発表者名
      植田崇史, (他3名) 大根田修
    • 学会等名
      第6回がんとハイポキシア研究会
    • 発表場所
      広島市南区文化センター
    • 年月日
      2008-11-30
  • [学会発表] グリオブラストーマにおけるHIF-2alphaの役割2008

    • 著者名/発表者名
      秋本恵子, (他4名) 大根田修
    • 学会等名
      第6回がんとハイポキシア研究会
    • 発表場所
      広島市南区文化センター
    • 年月日
      2008-11-30
  • [学会発表] 膠芽腫由来血管内皮細胞の特性から考える血管新生抑制療法2008

    • 著者名/発表者名
      高野晋吾, (他5名) 大根田修
    • 学会等名
      第67回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2008-10-29
  • [学会発表] 虚血改善効果の高いヒト血管内皮前駆細胞における低酸素応答転写因子の機能解析2008

    • 著者名/発表者名
      長野真澄, (他6名) 大根田修
    • 学会等名
      第70回日本血液学会
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      2008-10-11
  • [学会発表] 赤血球分化における低酸素応答転写因子HIF-2alphaの機能解析2008

    • 著者名/発表者名
      山下年晴, (他1名) 大根田修
    • 学会等名
      第70回日本血液学会
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      2008-10-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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