研究課題/領域番号 |
20590886
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 衛 岩手医科大学, 医学部, 講師 (90305996)
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研究分担者 |
伊藤 智範 岩手医科大学, 医学部, 講師 (30347851)
前沢 千早 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (10326647)
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キーワード | 冠動脈疾患 / 血管内皮前駆細胞 / スタチン / 動脈硬化 / microRNA |
研究概要 |
EPCでのmicroRNA(miRNA)発現プロファイリングの作成 冠動脈疾愚(CAD)症例より分離培養した血管内皮前駆細胞(EPC)および正常血管内皮細胞(対照)より、miRNA画分を含むtotal RNAを抽出した。TaqMan MicroRNA assay(Applied Biopsystem7900HT)を用い網羅的miRNA解析を行い、CADおよび正常血管内皮細胞との発現量の差を解析し、CADでup-regulationされているmiRNAをmiR-221/222と同定した。 EPCでのmiR-221/222発現とスタチンによる薬効評価 CAD群:44例(男性/女性36/8名、平均年齢66±12歳)。対照群:冠動脈病変を有さない22例(男性/女性17/5名、平均年齢64±8歳)。CAD群および対照群の末梢血液からEPCを分離培養し、血中EPC数およびその機能を評価した。TaqMan MicroRNA assayを用いmiR-221/222の発現を定量測定した。また、CAD群を積極的脂質降下療法群(A群、アトルバスタチン10mg/日)と標準的脂質降下療法群(P群、プラバスタチン10mg/日)に無作為割付した。 血中EPC数は、CAD群で対照群より低値で、miR-221/222の発現は、CAD群で対照群より高値であった。また、CAD群での血中EPC数とmiR-221/222の発現量には負の相関を認めた。投与12ヵ月後のEPC数は、A群で増加し、P群では変化を認めなかった。また、miR-221/222の発現は、A群で減少し、P群では変化を認めなかった。まとめ:CADのEPCでのmiR-221/222発現は亢進し、その発現はアトルバスタチンにより低下した。これらの結果は、CADでのmicroRNA発現とEPCの分化誘導との関連性を示し、さらに、これらのEPCの分化誘導機能に対するスタチンの有用性を示唆した.
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