研究課題
慢性喫煙と加齢は肺気腫発症の主要な危険因子である。アポトーシス細胞のクリアランスは組織の保持や炎症収束に重要であり、アポトーシス細胞の認識・貪食関連受容体をもつマクロファージはその中心的役割を果たす。本研究では、マクロファージの細胞表面に発現するアポトーシス細胞の認識/貪食に関わる様々な受容体が、喫煙や加齢の影響でどのように修飾を受けるのか、また、それぞれの相対的重要性を明らかにする。肺気腫患者のAMはアポトーシス細胞貪食能とVEGF発現の低下が報告されている。今年度、我々は、アポトーシス細胞クリアランス関連受容体の一つであるphosphatidylserine receptor (PSR)の加齢による発現調節機構について検討した。C57BL6/Jのadultマウス(39-45週令)とoldマウス(95-107週令)及びICRのadultマウス(37-44週令)とoldマウス(81-89週令)の肺胞マクロファージを分離し、タバコ抽出液を曝露した際のPSR発現を比較した。どちらのstrainも無刺激では週令の違いによる肺胞マクロファージPSRのmRNA発現に差を認めなかったが、タバコ抽出液の曝露にてadultマウスはPSRのmRNA発現が亢進したのに対しoldマウスではadultマウスと比較しPSRのmRNA発現が有意に低下していた。このことは、加齢によりアポトーシス細胞クリアランス能が低下していることを示唆する。
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