研究課題/領域番号 |
20590892
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
柴田 陽光 山形大学, 医学部, 講師 (60333978)
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研究分担者 |
渡邉 哲 山形大学, 医学部, 講師 (40359568)
阿部 修一 山形大学, 医学部, 助教 (40400543)
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キーワード | 遺伝子改変マウス / 転写因子 / MafB / 喫煙 / 肺気腫 |
研究概要 |
マクロファージ特異的ドミナトネガティブMafB発現マウスを昨年度に完成することができた。最終的には喫煙負荷がこのマウスの肺に及ぼす影響を検討する必要があるが、その前段階として、現在このマウスの非刺激下での表現型解析が進行中である。 20週齢未満のこの遺伝子改変マウスでは、マウスに負荷をかけない状態では、明らかな肺組織の変化は認められないようである。しかし、コントロールマウスに比して気管支肺胞洗浄中の肺胞マクロファージ数が有意に減少を観察していた。一方、末梢血中の単球数はコントロールと差を認めなかった。この結果より、MafBがマクロファージのsurvivalに重要な機能を演じていることが示唆された。 マウスの各組織中のマクロファージの細胞表面マーカーを検討したところ、マクロファージの終末分化マーカーであるCD11b,F4/80の発現が有意に減少していることをFACSにて確認した。すなわち、転写因子MafBはマクロファージの分化において、重要な役割を演じていることが強く示唆された。また遺伝子改変マウスとコントロールマウスに対して気管支肺胞洗浄を施行し、回収された肺胞マクロファージの形態を電子顕微鏡にて比較した。その結果、遺伝子改変マウスでは、細胞からの偽足の形成に変化が生じてきている可能性が高く、現在検討マウス数を増やしての確認作業を展開している。 すなわち、現在までの解析では、MafB遺伝子改変マウスでは、マクロファージのsurvivalならびに終末分化が変化をきたしている可能性が高い。今後は、非刺激下での当該マウスの表現型解析が終了次第、喫煙負荷時の肺組織の差を検討してゆく予定である。
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