研究概要 |
【in vivoの研究】人由来の材料を用いた研究において、当院呼吸器外科で肺癌を切除した残りの肺組織を用いる。共同でtissue bankとして整備しているシステムに登録された症例を対象としてヒト肺組織のパラフィン包埋組織、凍結組織ともに蓄積した。そのなかで肺癌のバックグラウンドとしてCOPDを有する症例や有しない症例(気管支喘息の患者、閉塞性肺疾患を有さない喫煙者や非喫煙者)を選定している。また、これらのサンプルを用いて気道細胞のlaser capture microdissectionを施行中である。マウスの慢性喫煙モデルについては、分担研究者の星野が作成し、肺のパラフィンおよび凍結標本を蓄積している。【in vitroの研究】気道上皮細胞におけるepithelial-mesenchymal transition(EMT)現象の確立のために、まず気道上皮細胞由来BEAS-2BにてEMTの誘導を試みたところ、蛋白および遺伝子レベルで経時的にE-cadherin,Cytokeratin発現の減少、Vimentin,Fibronectin,N-cadherinの発現増加が観察された。tissue bankからのprimary culture細胞を数名の対象患者から樹立したので、これらにて誘導を試み、COPD症例とnon-COPD症例で比較検討する予定である。
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