研究課題
計画に沿って肺気腫モデルマウスの作製と、炎症終息のメカニズムを利用した治療戦略を追求した。しかし、当初予定していたMFGE-8のノックアウトマウスがその後の研究によって、十部に目的を果たさないと推察されるに至り、ほかの二つの肺気腫モデルマウスの検討と、肺気腫に関与するとされるメディエーターのメカニズムを解明し治療応用への可能性を探った。(1)RAGEのノックアウトマウスにおいて、アポトーシス細胞除去の障害から気腫化が起きる可能性を見いだしており、この機序の解明、治療的実験の可能性を検討した。まずはRAGEがアポトーシス細胞の貪食において重要であることを明らかにして論文として発表した。(2)われわれが炎症終息に重要と考えているMCP-1分泌制御が破綻することで、慢性炎症とひいては肺気腫が誘導されるか検討した。まずは、短時間刺激がどのようにしてアポトーシス細胞貪食を改善させるかを解明し論文として発表した。さらに、長時間刺激は逆にアポトーシス細胞の貪食を抑制することを見いだした。研究計画の最終年度であったが、治療戦略の可能性を具体的に提案するには至らなかった。しかし、新しいアポトーシス細胞貪食機序の解明、アポトーシス細胞の貪食除去の観点から肺気腫におけるMCP-1の重要性を示唆するデータを得ることができ、将来につながる成果を得たと考えている。
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EMBO Rep.
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