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2010 年度 実績報告書

アンジオポエチンを介する血管新生の分子機構の解明とその喘息治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20590901
研究機関大阪市立大学

研究代表者

金澤 博  大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (90332957)

キーワードVEGF / angioPoietin-1 / angiopoietin-2 / 血管新生 / 肺血管内皮細胞 / 肺微小循環系
研究概要

過去2年間の研究を通じて得られた成果をもとに計画された本年度の研究において、気道内の血管リモデリングの形成・進展に及ぼすAng-1、Ang-2の病態生理学的役割を明確なものとした。特に、様々な重症度を有する喘息患者の気道壁における微小循環系の量的及び機能的異常とAng-1、Ang-2の発現量との関連性を明らかにした。すなわち、喘息の難治化要因とされている喫煙、肥満、鼻炎合併症例におけるAng-1、Ang-2の病態生理学的役割を世界に先駆けて明らかにし、当領域の研究の活性化を促した。さらに、VEGF、Ang-1、Ang-2の定量化された結果と個々の喘息患者の生理学的・病理学的検査から得られた所見とを詳細に比較検討することにより、VEGFとAng-1、Ang-2の相互関係を一層明らかなものとした。このように、VEGF過剰発現下におけるAng-1、Ang-2を基盤とする気管支喘息の新規病態生理を確立し、従来の喘息治療薬では到底制御困難であると思われる微小循環系の関与の重要性を明らかにした。また、Ang-1、Ang-2の発現に及ぼすVEGFの役割やVEGFとAng-1、Ang-2の相互関係を介する新生血管の形成過程を、分子生化学的手法を用いて、詳細なメカニズムまで解明したのである。こうして、気管支壁における活発な血管新生と新たに形成された未熟な新生血管の内皮細胞機能異常・過剰な血管透過性亢進能に注目し、気管支喘息の新たな病態メカニズムを構築した。そして、これらの結果を基に、気道壁の血管新生の制御をターゲットとする気管支喘息の新しい治療法の開拓や新規薬剤の開発に結びつく理論モデルを構築した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Validity of measurement of two specific biomarkers for the assessment of small airways inflammation in asthma2010

    • 著者名/発表者名
      Kanazawa H, et al.
    • 雑誌名

      J Asthma

      巻: 47 ページ: 1-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Increased levels of Nε-(Carboxymethyl)Lysine in epithelial lining fluid from peripheral airways in patients with chronic obstructive pulmonary disease : a pilot study2010

    • 著者名/発表者名
      Kanazawa H, et al.
    • 雑誌名

      Clin Sci

      巻: 119 ページ: 143-149

    • 査読あり
  • [学会発表] COPDにおける気道および肺血管リモデリング2010

    • 著者名/発表者名
      金澤博
    • 学会等名
      第60回日本アレルギー学会秋季学術大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(招待講演)
    • 年月日
      2010-11-26

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公開日: 2012-07-19  

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