研究課題/領域番号 |
20590903
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
吉川 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (80271203)
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研究分担者 |
木村 弘 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20195374)
友田 恒一 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (90364059)
安藤 朗 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90252395)
山本 佳史 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00458035)
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キーワード | 慢性閉塞性肺疾患 / 全身性炎症 / 肺-消化管ネットワーク / 喫煙 / 腸内環境 |
研究概要 |
1) エラスターゼ誘発肺気腫は繊維除去食および欠食で促進する 10週齢雄Wistar Kyoto Ratを通常食・連続給餌(A群),通常食・非連続給餌(B群),繊維除去食・連続給餌(C群),繊維除去食・非連続給餌(D群)の4群に分けて給餌した。エラスターゼ注入による肺気腫形成の程度を組織学的に比較したところD群>B群=C群>A群の順で大きかった。体重増加はA群=C群>D群>B群の順で大きく、摂食量は各群で有意差は認められなかった。 食物繊維の摂取量の低下や不規則な食事摂取は肺気腫病変を促進する可能性が示唆された。 2) 喫煙曝露による栄養障害、全身性炎症に対する食物繊維の役割 12週齢のC57BL/6マウスを通常食および繊維除去食で飼育し、16週間の喫煙曝露を行い、両群における体重の変化、抗酸化ストレス活性(Oxy吸着テスト)、腸内環境の変化を比較検討した。通常食群、繊維除去食群いずれも喫煙曝露によって体重増加が抑制され、繊維除去食群では体重増加の抑制が高度であった。抗酸化ストレス活性は非喫煙群、喫煙群ともに脱セルロース食群で低下していた。また、繊維除去食群では喫煙群が非喫煙群に比して有意に低下していた。非喫煙群では脱セルロース食群で回盲部内容物中のコハク酸が高値を示し、喫煙群では繊維除去食群でコハク酸濃度は高値を示したが、酢酸濃度は低値を認めた。食物繊維の摂取低下は腸内環境に変化をもたらし、喫煙曝露による体重減少や全身性炎症などのsystemic effectを増悪させることが示唆された。
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