研究課題/領域番号 |
20590906
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
仲村 秀俊 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00217879)
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研究分担者 |
青木 広宙 名古屋工業大学, 工学研究科, 特任研究員 (60380193)
白畑 亨 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80383868)
石田 浩之 慶應義塾大学, スポーツ医学研究センター, 准教授 (90212894)
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キーワード | FG視覚センサー / COPD / 運動負荷 / リハビリテーション |
研究概要 |
22年度には、健常非喫煙者4例、健常喫煙者1例、COPD患者3例、喘息患者1例でエルゴメーターによる漸増運動負荷試験(健常者20W/分、患者10W/分)を行い、呼気ガス分析とFG視覚センサーの同時解析を行った。運動前には最大換気量測定を含む、スパイロメトリーを実施した。いずれの例においても、1回換気量、呼吸数、分時換気量の経時変化が、呼気ガス分析とFG視覚センサーでよく相関していた。エルゴメーターによる漸増運動負荷試験は、COPDおよび喘息患者で安全に実施することができた。COPD患者では運動時の最大分時換気量が運動前に測定した最大換気量とほぼ等しく、呼吸予備能の低下が示唆された。運動中の呼気位については、今回の症例では明らかな動的過膨張を示唆する所見はみられなかった。今後、重症COPD患者において解析が必要と考えられる。また、COPD患者では運動中にも呼気の延長傾向がみられた。今後は症例数を増やし、患者の重症度や病型による呼吸パターンについても解析する予定である。また、1回換気量、分時換気量の定量性については、今後、体格の異なる多数の症例でデータを集積して改善してゆく必要があると考えられる。本研究により、FG視覚センサーを使用することで、呼吸器疾患患者の運動中の呼吸運動をモニターすることが可能となった。これにパルスオキシメーターを併用すれば、簡便に運動制限因子の推定が可能になると期待される。FG視覚センサーを用いた運動負荷試験が6分間歩行やシャトルウォークに代わり、簡便で客観性の高い評価方法として普及し、呼吸器疾患患者の運動療法に役立つことが望まれる。
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