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2008 年度 実績報告書

慢性気道炎症に対する気道上皮細胞の制御機構の解析と新規治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20590913
研究機関千葉大学

研究代表者

有馬 雅史  千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00202763)

研究分担者 幡野 雅彦  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20208523)
キーワード気道上皮細胞 / 気道炎症 / 転写抑制因子 / BCL6 / ケモカイン
研究概要

本研究は、気道上皮細胞におけるケモカイン産生を解析し、さらに、その機能調節方法の研究を行うことによって、多くの慢性肺炎症性疾患に対する新規の治療法の開発を目指す。申請者らはヒトとマウスでは、類似してMCP-1を含むケモカイン遺伝子群がクラスターを形成いて存在することを見出している。さらに転写抑制因子であるBCL6が気道上皮細胞においてこれらケモカイン遺伝子クラスターに対して発現を統合的に抑制することを見出した。ヒト肺胞上皮細胞株であるA549細胞に対して、遺伝子導入によりドミナントネガティブ(DN)BCL6を強発現させて、内因性BCL6の機能を抑制したA549細胞の解析でも同様にコントロールのA549細胞に比べ各ケモカインの転写は克進を認めた。さらに、気道炎症疾患モデルとして気管支喘息に注目し、これらの病態における気道上皮細胞内のBCL6の役割を明らかにすることを目的とし、以下の研究を実施した。サーフアクタントA遺伝子プロモーターを利用して気道上皮細胞で特異的にBCL6およびBCL6-DN遺伝子(BCL6-DN)が発現するトランスジェニック(Tg)マウスを作製した(SPC-BCL6-Tgマウス、SPC-BCL6-DN-Tgマウス)。これらのマウスと野生型マウスを用いて0VA(卵白アルブミン)腹腔感作喘息モデルを作製し、解析した。その結果、0VA経気道投与による気道炎症は、SPC-BCL6-DN-Tgマウスでは、肺組織中のMCP-1をはじめとする各ケモカインのmRNAの増加と共に増強し、SPC-BCL6-Tgマウスでは各ケモカインのmRNAの減少し、気道炎症の減弱が観察された。これらの結果から、BCL6のアレルギー性気道炎症に対する重要な役割の1つとしてMCP-1を含むケモカイン遺伝子群の転写抑制作用を明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of Th2 pulmonary inflammation in mice with bleomycin-induced pulmonary fibrosis2008

    • 著者名/発表者名
      Hirata H.
    • 雑誌名

      Respirology 13

      ページ: 788-98

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effective collaboration between IL-4 and IL-21 on B cell activation2008

    • 著者名/発表者名
      Saito T.
    • 雑誌名

      Immunobiology 213

      ページ: 545-55

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A role for Bcl6 in sequential class switch recombination to IgE in B cells stimulated with IL-4 and IL-212008

    • 著者名/発表者名
      Kitayama D.
    • 雑誌名

      Mol Immunol 45

      ページ: 1337-45

    • 査読あり
  • [学会発表] ヘルパーT細胞Th1/TH2細胞を中心としたその発生分化に迫る:Th2サイトカイン発現に対するIL-4遺伝子イントロンエンハンサーの機能2008

    • 著者名/発表者名
      有馬雅史
    • 学会等名
      日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      京都市
    • 年月日
      2008-12-01

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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