研究課題/領域番号 |
20590920
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
丸山 淳子 三重大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50263017)
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研究分担者 |
ガバザ エステバン 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00293770)
丸山 一男 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20181828)
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キーワード | モノクロタリン / CD4 / CD8 / 肺高血圧症 / 右室肥大 |
研究概要 |
モノクロタリン(MCT)誘発性肺高血圧症マウスにおけるT細胞機能と肺高血圧症(Pulmonary hypertension;PH)発症との関連を検討するために、野生型、CD4欠損、CD8欠損マウスのそれぞれに、8週間にわたり7日ごとにMCT(600mg/kg)および生理食塩水を8回皮下注射にて投与し、肺高血圧モデルおよびコントロールを作成した。MCT投与開始から56日後にネンブタール腹腔内投与(70mg/kg)により麻酔し、肺胞内洗浄(BAL)を行いBAL fluidを得たのち、心臓、肺、脾臓を摘出した。摘出心で右室肥大の評価を行い、肺と脾臓はそれぞれ細胞数を測定した。また、BAL fluid中のtotal protein、MCP-1、TNF-α、TGF-β、IL-1β,全細胞数および細胞分画を評価した。その結果、野生型、CD4欠損、CD8欠損マウスの、すべてのMCT投与群のBALFでtotal proteinが上昇し、MCP-1の上昇傾向がみられた。しかし、野生型マウスでは右室肥大が認められたのに対し、CD4欠損およびCD8欠損マウスでは右室肥大は認められなかった。以上より、CD4^+T細胞とCD8^+T細胞のいずれかが欠損していてもMCT投与で肺組織に炎症を来すが、肺組織の炎症からさらに肺血管抵抗を増大させ肺高血圧症が起きるにはCD4^+T細胞とCD8^+T細胞の両方の関与を要すると推測された。
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