研究概要 |
私たちは,初年度,マウス肺高血圧症(PH)モデルとして,モノクロタリン誘発性PHモデル作成を試みたが、致死率が高く,PHモデルとしては,確立が困難と判断し、次年度以降,低酸素性モデル作成に変更した。次年度の検討の結果,マウス低酸素性肺高血圧モデル(1/2大気圧、380mmHg,21日間)では、末梢肺血管の筋性化(%muscularity)、右室収縮期圧(RVSP)上昇、右室肥大(RVH)がみられ、当施設で作成したモデルとして確立することが出来た。また、このモデルにおける%muscularityの程度は,RVSPの程度やRVHの程度と強い相関を示すことがわかった。以上から,マウスPHモデル重症度を検討するために、主に%muscularityのパラメーターを用いて,今後検討することに決定した。また、同様の方法で,CD4欠損マウスを低酸素暴露し、検討を行った結果,野生型と比較して有意な差は認められなかった。今年度、私たちは,alpha SMAの免疫染色をもとに、%muscularityをさらに非筋性化血管,部分的筋性化血管,完全筋性化血管に分類し,組織全体の血管数の比率で表し,それぞれのパラメーターについてCD4欠損マウスと野生型マウスとの間で比較検討を行った。その結果,個体差にばらつきがあるため,個体数を増やし,再度統計学的処理を検討中である。
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