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2008 年度 実績報告書

デフェンシンを新しい抗菌薬として開発するための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20590927
研究機関長崎大学

研究代表者

迎 寛  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80253821)

キーワードαデフェンシン / Plectasin / 抗菌活性 / ムチン産生 / サイトカイン / 気道上皮細胞
研究概要

まず、デフェンシンの「新しい抗菌薬」としての臨床応用を目標に、最近発見された真菌由来のデフェンシンであるPlectasinについてその合成ペプチドを用いてin vitroやin vivoにおける抗菌活性の検討を行った。種々の細菌や真菌に対する抗菌活性を調べたが、肺炎球菌ではペニシリン耐性、非耐性に関係なく、強い抗菌活性がみられた。また、 MRSAを含むブドウ球菌やインフルエンザ菌、緑膿菌、カンジダには抗菌活性は認めなかった。ヒトデフェンシンではヒト血清にてその抗菌活性が消失することが知られているが、今回の検討ではPlectasinのこの抗菌活性はヒト血清の添加によっても何ら変化を認めなかった。このことから、 Plectasinはヒトに対して経静脈的な投与でも活性が減弱しない可能性がある。またヒトデフェンシンでは細胞傷害性、サイトカイン産生誘導作用などがあるために、今回Plectasinにもこれらの作用があるかの検討を行ったが気道上皮細胞からのIL-8産生は見られず、また気道上皮細胞などの肺内細胞への細胞傷害性はみられなかった。これらの結果からPlectasinは将来ヒトの感染症において臨床的に使用できる可能性がある。次にαデフェンシンのヒト細胞への作用解明を目的として、気道上皮細胞のムチン産生にたいするαデフェンシンの影響を検討した。 LPS同様αデフェンシンにより気道上皮細胞からのムチン産生が亢進し、マクロライド薬の投与でその作用は抑制された。また、シグナル伝達系の検討では抑制部位が異なり、 LPSとαデフェンシンのムチン産生へのシグナル伝達系が異なることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Different effects of telithromycin on MUC5AC production induced by human neutrophil peptide -1 or lipopolysaccharide in NCI -H292 cells compared with azithromycin and clarithromycin2009

    • 著者名/発表者名
      Ishimoto H, Mukae H, et al.
    • 雑誌名

      J Antimicrob Chemother 63

      ページ: 109-114

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Plectasin has antimicrobial activity and no affect on cell viability or IL -8 production2008

    • 著者名/発表者名
      Hara S, Mukae H, et al.
    • 雑誌名

      Biochem Biophy Res Com 374

      ページ: 709-713

    • 査読あり
  • [雑誌論文] デフェンシンと肺の感染防御、炎症、線維化2008

    • 著者名/発表者名
      迎 寛
    • 雑誌名

      日本肺サーファクタント・界面医学会雑誌 39

      ページ: 9-11

    • 査読あり
  • [学会発表] Plectasin has antibacterial activity and no affect on cell viability or IL -8 production2008

    • 著者名/発表者名
      Hara S, Mukae H, et al.
    • 学会等名
      13th Congress of the Asian Pacific Society of Respirology
    • 発表場所
      Bangkok, Thailand
    • 年月日
      2008-11-20

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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