研究課題/領域番号 |
20590929
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
門田 淳一 大分大学, 医学部, 教授 (50233838)
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研究分担者 |
平松 和史 大分大学, 医学部, 准教授 (80301381)
白井 亮 大分大学, 医学部, 助教 (60437837)
岸 建志 大分大学, 医学部, 助教 (20347024)
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キーワード | 緑膿菌 / 線毛 / ペプチド / ワクチン / 樹状細胞 |
研究概要 |
これまでに作成した緑膿菌PA01株の線毛蛋白143アミノ残基を断片化した合成ペプチド13種(P1-20、P11-30、P21-40、P31-50、P41-60、P51-70、P61-80、P71-90、P81-100、P91-110、P101-120、P111-130、P121-143)を用い、マウス骨髄由来の樹状細胞cell lineであるJaws II細胞を刺激し、樹状細胞より産生されるTNF-αおよびIL-12を定量した。さらに刺激した樹状細胞の成熟化を検証するために各ペプチドで刺激後の細胞マーカー発現(MHC class II、CD40)をフローサイトメトリー法にて検討を行った。その結果、陽性コントロールであるLPSあるいは緑膿菌PA01株全菌体の破砕検体での刺激群ではサイトカインの産生亢進や樹状細胞におけるMHC class II、CD40の発現増加を認めていた。一方で緑膿菌線毛ペプチド抗原ではP101-120のみでTNF-αの産生量増加とMHC class II発現の増加を認め、その他の12種類のペプチドではこうした変化は認めなかった。これらの結果から緑膿菌線毛蛋白の抗原提示にはP101-120が重要な役割を果たしている可能性が示唆された。さらに樹状細胞をP101-120で刺激後、細胞をホルマリン固定し、C57BL/6マウスの脾細胞から磁気ビーズ(CD4^+、CD62L^+)法でT細胞を分離後、共培養を行った。培養24、48、72、96時間後の培養上清中のIFN-γ、IL-10濃度を検討したが、その上昇は認めなかった。またBrdU法を用いて48時間後のT細胞の増殖を検討したが、T細胞の明らかな増殖は認めなかった。しかしながらこうした結果は陽性コントロールである緑膿菌PA01株全菌体の破砕検体においても認められておらず、さらなる検証が必要である。
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