研究課題
LPSによる肺障害マウスの作成LPSを気管内投与し、肺障害マウスモデルを作成する。24時間後に以下の項目を検討する。1) TLR4遺伝子および蛋白発現の影響LPSを気管内に投与し、24時間後に肺を摘出し、肺胞上皮細胞のTLR遺伝子発現、蛋白発現を検討したところ、いずれも亢進した。抗CD14抗体をLPS投与直後に投与するとは違法上皮細胞のTLR遺伝子発現、蛋白発現が抑制された。このことから、肺胞上皮細胞のTLR遺伝子発現は、可溶性CD14を介して促進されることが示唆された。2) 組織学的検討LPSを気管内に投与し、24時間後に肺を摘出し、TUNEL染色を用いて、肺胞上皮細胞のアポトーシスを検討した。LPSの気管内投与により、肺胞上皮細胞にアポトーシスがみられた。抗CD14抗体をLPS気管内投与直後に投与し、肺胞上皮細胞のアポトーシスに及ぼす影響を検討した。抗CD14抗体の投与により、肺胞上皮細胞のアポトーシスは軽減した。このことから、LPSによる肺胞上皮のアポトーシスには可溶性CD14が関与することが考えられた。3) 肺血管透過性LPS気管内投与24時間後に^<131>Iで標識したアルブミンを静注し、1時間後に気管支肺胞洗浄を行い、1時間で血管内から気管支肺胞洗浄液中に漏出したアルブミン量で肺血管透過性を検討した。LPS投与により肺血管透過性は亢進し、抗CD14抗体により抑制された。以上のことから、LPS投与により可溶性CD14が増加する。CD14は肺胞上皮のTLRを介してアポトーシスを誘導し、そのため肺血管から肺胞腔内への透過性が亢進すると考えられた。この障害は抗CD14抗体により、抑制された。
すべて 2009
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Biochem Biophys Res Commun 380
ページ: 586-590
Am J Respir Cell Mol Biol 41
ページ: 688-695