研究課題
基盤研究(C)
悪性胸膜中皮腫は、胸膜中皮細胞に由来する予後不良の悪性腫瘍である。我々は悪性胸膜中皮腫の細胞学的・分子生物学的解析を行い、中皮腫腫瘍幹細胞の同定を試みた。初めに我々は亜ヒ酸(As_2O_3)で誘導される中皮腫細胞株(H2052)のアポトーシスの分子生物学的解析を行った。As_2O_3はH2052株にcaspase-3依存性にアポトーシスを誘導した。この過程においてJNKが活性化され、caspase依存性にアポトーシスを引き起こし、ERKはJNKとのcross talkを介してcaspase非依存性アポトーシスを起こすことが明らかとなった。一方、H28中皮腫細胞株はFynを欠損しており、亜ヒ酸ではアポトーシスを起こさず、Src阻害剤PP2処理により、caspase-8を介してアポトーシスを誘導することが判明した。さらに、中皮腫腫瘍幹細胞の同定において、我々は中皮腫細胞にCD318が発現されているのを見出し、その重要性を明らかとした。
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Journal of Cellular Physiology 226
ページ: 762
Experimental and Therapeutic Medicine. 1
ページ: 497-501